こんばんは。
naoko(@Nko_Life)です!
日本は超高齢化社会を迎え、総人口数は減少の一途をたどり、2021年9月の最新の発表によると、高齢者人口率は29.1%となりました。
高齢者が増えると要介護者も増えるわけですが、一口に介護と言っても、施設で生活されている方の支援、在宅で暮らしている方の支援、デイサービスで過ごす方の支援など、様々な形で介護が存在しています。
みなさんは『介護』と聞いてどんなイメージを持っていますか?
介護は『3K』と言われ、『きつい』『汚い』『危険』という意味で悪いイメージがついていますが、実際はどうなのか?というところにあまり触れられることがありません。
今回は、あまり表立って発信されない介護現場を、施設で働いていたときの体験を基に記事にしてみました。
✔ 現場での仕事内容や人間関係
✔ 利用者さんの介助方法や会話
✔ 給料や有給休暇について
介護の仕事は大変?
どんな仕事内容?
出典:Adobe Stock
介護の仕事と言うと、身体介助が一番最初に思いつくと思いますが、利用者さんの介護度により日常生活全般のお世話が必要な方もいますし、身体介助が不要の方もいます。
また、報告書やご家族への送付物、日々の日報や看護師への申し送りなど、意外とPC操作が多く、基本操作が出来ていないと苦労する一面もあります。
私が勤めていた施設では、1年目の新入社員は夏祭りでソーラン節を踊る決まりもあり、仕事後に踊りの練習なんかもしていました。
大きく分けるとこんな感じでした。
”人間関係の悩みが多い”は本当?
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介護職は人間関係の悩みが多いということをよく聞きます。
私が勤めていた職場の人間関係は、比較的良好でしたが、現場では10代~60代までと幅広い層の職員が働いているため、職員同士の介護に対する意見や考え方が違ってしまい、業務に支障が出てしまうということがありました。
具体的に言うと、
- 好きな利用者さんしか対応しない60代の職員
- 嫌いな業務は避けてやらない40代の職員
- 現場に優先的に出るのは若手だと決めつける20代係長
など。
一回りも二回りも違う年代の後輩や、年下の先輩など、年功序列ではないことも介護職の特徴で、『年下に指導されたくない』とプライドが邪魔したような意見を持っている人もいて、対応に困ったこともありました。
介護の現場は女性の割合が高いため、女性特有の私的感情が入ってしまい、人間関係が歪む現象が起きるのかもしれません。
利用者さんと接する
介助の仕方は?
介助と一言に言っても、介護士が全てを行う”全介助”や利用者さんが出来ない部分のみ介助を行う”一部介助”、介助は不要だが、転倒やケガを未然に防げるように注意する”見守り”など、様々な介助方法があります。
また、1人の利用者さんに対して2人の職員が介助を行う”2人介助”もあり、一人では介助不可能な場合や、ケガをさせてしまう危険性がある場合などに行います。
現場では、学校で習うような手順通りにいくことがほぼありませんが、基本として頭に入れておきつつ、ボディメカニクスを理解した上で介助を行うことがとても大切になってきます。
逆に言うと、ボディメカニクスを理解せずに、学校で習った通りだからと、利用者さんの身体状況や環境を無視すると、ケガをさせてしまう危険性も出てきます。
他にも施設独自のルールがあったりもして、1人介助が可能ではあるが、”疲れが出ると膝が折れてしまう”利用者さんがいて、立ちが悪いときには転倒予防のために2人で介助を行うようにしていました。
勉強通りにいかないのが、介護の大変な部分でもあり、面白い部分でもあります。
介助不要の要支援者には介護不要?
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施設では、要介護者を中心に身体介助を行いますが、要支援の方々は、基本的に介助が不要な方が多くいるため、施設では積極的に接する機会がありません。
そのため、『職員さんは忙しいから声をかけずらい』『少しは見に来てよ』などの、ご指摘を頂くことがしばしばありました。
”忙しいから”というのは、職員側の都合ではありますが、やはり実際に現場にいると、介助不要の方のところまで行く余裕がなかったのは事実でした。
要支援者には介助が必要になることは、ほとんどありません。
しかし、生活を豊かにするために介護が不要になったわけではないので、直接介助をしなくても、傾聴や困りごとの解決に努める必要があります。
介助が必要ないからと言って、関わりを最低限にするのではなく、普段からコミュニケーションを取りながら関わりを持つことがとても重要になりますし、利用者さんとの信頼関係も築いていくことが出来ます。
利用者さん同士のトラブル
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職員の人間関係に悩みが多い介護職ではありますが、利用者さん同士のトラブルも度々起こることがあります。
鬱病や統合失調症などの精神疾患を持っている高齢者は多くいて、被害妄想などの勘違いから口論になる利用者さんもいました。
また、認知症に理解がなく『頭がおかしい』などと暴言を吐く利用者さんや、夜間に徘徊して別の利用者さんの居室へ侵入したり、金銭の貸し借りをするなど、小さなものから大きなものまで、色々なトラブルがありました。
トラブルが起きる時は、ほとんど同じ利用者さんだったので、職員同士ではどういった時にトラブルが起こりやすいのか、フロアミーティング等で情報共有と対策に努めていました。
傾聴し、気持ちを汲み取るだけで落ち着く利用者さんはたくさんいたので、『だめですよ』ではなく『〇〇されたことが嫌でこうしてしまったんですね。』とただ同調していました。
否定するような対応をすると、トラブルが悪化したり、最悪の場合は利用者さんとの信頼関係が崩れてしまい、『あの職員は嫌だ』と言われてしまいます。
トラブルが起きるときは、数日続くことが多かったので、自分自身のメンタルも削られることも多くありましたが、職員同士ストレスを吐き出しつつも協力して解決に努めていました。
介護士の給料や福利厚生
介護士の給料は地域差があるので、一概にはいくらとは言えませんが、デイサービスや訪問介護に比べると、夜勤手当がある分、施設系の方が給料が多い傾向にあります。
デイサービスや訪問介護であれば、資格手当の他にも生活相談員やサービス提供責任者などの役職手当がつくことがあり、一般職員より給料アップが見込めますが、仕事量もそれなりに増加します。
また、賃金の改善を図るための目的として、介護職員処遇改善加算というものがあり、厚生労働省の案内では、加算の区分により”月額〇〇円相当の加算を受け取れます”という文言がありますが、実際の分配は法人で決めていいことになっているため、いくらもらえるかは確認が必要になります。
神奈川県の施設では基本給が20万弱でしたが、現在の住まいに越してから面接をしたデイサービスでは13万と言われました。(もちろん断った)
そんなんで
生活できるかー!!(本音)
今は役職手当もありますが、それでも手取り20万いっていないのが現実です。
賞与に関しては、平均値を見るとだいたい年間2ヶ月程度のようですが、私は年間で1.5ヶ月分しか出ませんでした。(もらえるだけありがたいですが、モチベーションは上がりません・・・(笑))
福利厚生に関しては、大きな法人だったこともあり充実していましたし、当時は実家暮らしだったので利用していませんでしたが、家賃手当てが最大7万まで出ていました。
有給休暇については、使用率は高く、他の従業員と被る場合は相談する形で調整し、ほぼ希望通りに取得することができました。
どちらかと言うと訪問介護の方が取得しずらいです。
まとめ
イメージしてる介護とリアルな介護はどうでしたか?
確かに汚物の処理もあり、汚いと言われる場面もありますが、大変なことが多い分、楽しいと感じることも多く、私は介護の仕事が楽しくやりがいを感じています。
近年、高齢者虐待の事件も多く発生しており、長時間拘束で低賃金な上にサービス残業が多くあることや、介護ハラスメントがあっても、職員の人権を守られないような環境下など、”やりがい”だけでは解決できない様々な問題が隠れていることは事実です。
これからも介護士の需要は増え、必要不可欠な職種であることは間違いないと思います。
介護士を目指す人が働き続けたいと思えるような環境や条件が増えて、人手不足も解消すればいいなと思います。
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